映画「マンマ・ミーア!」はなぜヒットした?
2009年02月23日
世の中にはABBAアレルギーの人が結構いるようだ。映画化されたABBAのカタログ・ミュージカル「マンマ・ミーア!」も、その被害を蒙っている。
「学生時分、どこでもアバが流れていましたから好きな人もいたんでしょうが、私には災難でした。暴力的なほど知恵も工夫もない、限りなくゼロみたいな音」(AERA、東大教授藤原帰一)。
「女友達からも映画やミュージカルのファンからも串刺しにされるだろうから、思い切って言おう。本作はABBAの歌のようだ。クリエイティビティは限りなく薄味で、限りなく無害だ」(週刊新潮、映画ジャーナリスト、グレゴリー・スター)。
母娘を演じるメリル・ストリープ(左)
とアマンダ・セイフライド ABBAの音楽とこの映画には時代のパラダイムを変革するようなパワーはないかもしれない。人間の内面を考察する深みにも欠けるだろう。しかし人々の心をしかと捉えるにかがないわけではない。
いうなれば、それは上質なロマンティシズムとほどのよいセンティメンタリズムである。もともとABBAの歌詞に詩的香りは希薄だが、男女の機微、人生の歓び哀しみが皆無とはいい切れまい。
私は彼等のヒット曲群をきわめて高度な職人芸の発露と見る。一見してしろうと芸となめてはいけない。彼等の正体?は、アマチュアリズムを装ったしたたかなプロフェッショナリズムなのだから。
「マンマ・ミーア!」映画版は、オリジナルの舞台をそっくりそのまま下敷にしている。違いは、ギリシャ・ロケした甲斐あって美しく輝いているほんものの海ぐらいか。欧米では観客数500万人を超える大ヒットとなったが、日本でも1月30日に公開され、ミュージカル映画にない出足のよさだそうで、まずはめでたい。
メリル・ストリープと
アマンダ・セイフライド 「マンマ・ミーア!」は、ギリシャの小島で小さなホテルを営むシングル・マザーがヒロインである。結婚するひとり娘が父親を知りたくて、心当たりのある3人の男性に式の招待状を送ったため、てんやわんやの大騒ぎが巻き起こる……。
なぜ「マンマ・ミーア!」は、舞台も映画も世界的に当たったのか。第一要因はABBAの音楽力。結婚という時代と国境を超えた永遠のテーマを、恥ずかし気もなく中心にすえたことも見逃せない。
映画で宿屋の女主人を演じたメリル・ストリープが、週刊文春の阿川佐和子対談に登場し語ったところによると、この作品(舞台、映画とも)のプロデューサー、ジュディ・クレーマーは、英国で三番目のリッチな女性にのし上がったという。ちなみに一位はエリザベス女王、二位は「ハリー・ポッター」の作者J・K・ローリングとのこと。
2009年02月23日 00:00
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